十六夜

今宵はいざよいの月がきれいです。
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昨夜の満月は仲秋の名月。中国文化圏では「中秋節」で月餅を食べる日。わたしはその月をハノイで仰いでいたのでした(^^)!
もんのすごくにぎやかで楽しくて、いろんな獅子舞――なんかピンクで縫いぐるみみたいな可愛いやつやら龍みたいのやら正統派?の中国風の赤いやつやら――が出てたり、子どもたちが太鼓叩いてたり、赤い提灯や風船みたいのがずらっと並んでたり…。
しかし、そのお祭りの夜にも家族みんなでオートバイにぎっしり乗って出かけるヴェトナム人たち…。台湾の各都市もそうだったけど、ミニバイクが市民たちの足で、どこへ出かけるにも(夜市や夜の映画館とかにも)バイクで移動してるのね。しかも大きな荷を運んでたり(彼らはものすごくバランス感覚良いと思う)、何人も乗ってたり、ありえんような乗り方してはるし…。
もう、あのミニバイクがぎっしり列を成してどどどどーっと轟音あげて走りまわってる広い道を、横断歩道も信号もなしに横断しないといけないというだけで、初日は(なんでわたしみたいなトロい奴がよりにもよってこんなとこ来てもうたんや〜)とか後悔もしたもんですが、最後のほうにはなんとか慣れました。
サイゴンマダムのおかげで、かんなりディープな場所にも連れてってもらったし、美味しいヴェトナム料理屋さんにも連れてってもらったり。ハノイでは街歩きがすごくおもしろかったし、水上人形劇も見れたし、ハノイ郊外の秘境のお寺(鍾乳洞そのものがお寺になってて、しかもそこへ行くには1時間ほどかけて渓谷の川を小さなボートで遡っていき、また1時間ほどかけて山の天辺まで登っていかないといけないといふ…)にも行ったし、ホーチミンでの2日間もハノイでの2日間も、もうおなかいっぱい堪能しました。
旅先でたまたま祭りに出くわすのはなぜかわりとよくあるのですが、やっぱりそういう場所は印象深いです。
秘境のお寺詣りは格安ツアーで(日本語の同じツアーの1/4ほどの値段。日系の旅行会社高過ぎ!)出かけていたのですが、その途中で田舎のお葬式の行列にも出くわしたし…。(バチ当たりにもミニバスの車内から彼らにヴィデオカメラ向けていたのでしたが、それこそ天罰覿面というか、ズームの具合とか撮影モードとかを間違えて、かなりテープを無駄にしてしまった…)。
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お金にきたないとかボラれるとか詐欺に遭うとか旅行ガイドや体験談では悪い噂ばっかり聞いてた現地の人々も、わたしが出会った人々はみんな親切で、しかも美形が多くて(男性も女性も!)、はにかんだような表情がすごく素敵な方ばかり。英語が達者で頭の回転早くて感じの良い若者たちにも会ったし…。
しかし、ナンパ風に声かけてきたチョット凄みのある美形のあんちゃんが、実はバイクタクシーに乗らないかと言ってるのがわかったときには悲しかったが…。(本人も自分のその容貌が外人女性受けすることわかっててそういう声のかけかたしているのであろう。バイクタクシーやシクロや物売りやら、しょっちゅう声かけられたけど、あんまりしつこいのはなかったもんね)。
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リコンファームしててもオーヴァーブッキングを理由に乗れないことがあるとか、逆に乗客が少ない便は当日になっていきなり間引かれてしまうことがあるとか、サーヴィスが悪いとか、これまたさんざ悪口を聞かされていたヴェトナム航空も無事時間通りに飛んだし、乗務員のおねえちゃん、おにいちゃんたちも(これまた美形!で)親切だし、飯は(国内線は)それなりに美味かったし、泊まったホテルは由緒あるコロニアル風の立派な建物で、それがローマで泊まった街角の(クラシックにはちがいないがまぁ庶民の建物の)ホテルの半額ぐらいで泊まれたし。帰り、大阪へ向かう夜中の便が2時間遅れになってしまって「最後の最後にやってくれた〜」と思ったものでしたが、乗った飛行機を見ると(JALとのシェア便だったのですが)まるきりJAL機で、ということはそれもヴェトナム航空のせいではなかったのでした…。
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ああ!また行きたや!ツアーで出会った欧米の若者たちは、みんな結構な日数かけて、しかもかなりお金節約してあちこちまわってるらしく、わたしがちょうど夜中の飛行機に乗ってるあいだ、夜汽車で中部へ向かうのだと言っていた人たちもいました。フエ、ダナン、あとダラットもやっぱり行ってみたいなぁ…。
街の風景とか田園風景(例の三角の菅笠かぶって牛を使って野良仕事している田んぼ)とかいちいちおもしろくて、ずーっとビデオまわしてたけど、さてさて(既に撮影ミスは何度か自覚してるし)どれだけ残ってることやら…。