あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
新年早々間抜けなことをいろいろしてまして・・
(年賀状を受け取られた方の一部は気づいておられるかもしれませんが・・)
jaja@jajane.comのアドレスが不通になってたのに長いこと気づかず、大変ご迷惑をおかけしました。その名前でつくっていたホームページも削除しています。
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今後ともどうぞよろしく!

今年賀状に使ったのはメリュジーヌ、ま、フランスの巳さんということで・・。

現代美術館など

Metzに行ったのは予定外。たまたま出発の2日前に日本で最後に見た『HUNTERS』という映画が、基本的に英語でつくられた映画なんだけど舞台がThe Townとされた架空の地方都市。え?これどこだろ?とロケ地のクレジットを見ればフランスLorraine地方のMetzとある。え?ロレーヌだったら今回行くところと近いやん、と、それからいろいろ検索してみると、すごく面白そうなところ。Nancyへは立ち寄るつもりでいたし、そこから電車で30分ぐらいでいけるようなので、急遽予定に加えたのでした。
 
古い建物がたくさんある街の中心地と、そこから駅をはさんだ反対側にあるできたてのポンピドゥーセンター分館(Centre Pompidou Metz)とで、いま観光客誘致に積極的といったところ。
写真はそのCentre Pompidou Metzですが、全容はおさえられず、玄関側からみた一部です。
設計がかの坂茂さんで、阪神大震災後に紙パイプをつかって再建された神戸・鷹取教会の話を聞きにいったことがありました。

Metzだけでなく、ヨーロッパの主な観光都市、どこともそれぞれにユニークな現代美術館をつくってるのが最近の傾向なのか。
古い地区は観光客が歩いてまわれるように整備保存して(車の乗り入れなんかを制限して)、その一方で新しいものもつくると。
Strasbourgの現代美術館も、Baden-Badenのも面白かったけど、今回行ったなかではKarlsruheのZKM(http://www.zkm.de/)が面白かったですね。メディアアートがこってりあって、その気になれば一日中ここで遊んでいられます。行った日は日曜日とあって、子供相手のワークショップもあり、親子連れや学生さんたちやいろんな人たちが来てました。
 
しかしインタラクティブなアートで、どう楽しむか説明が必要なものも、説明書きのほとんどがドイツ語だけなのには困った。美術館のスタッフも、若い人たちは英仏独OKみたいな感じだったけど、ふつうのおじさんおばさんぽい監視員の人たちはドイツ語しか通じないみたいだったし。
(ドイツはどこでも英語が通じる・・というのは観光施設とか若い学生さんたちだけみたいで、普通の庶民はなかなかみたいですね。)

昨日もどってきました


昨日無事帰国しました。行く前はいつもほんまにちゃんと行って帰ってこれるんかなと思うんですが、なんとかなるもんですね。
 
海外にふらっと出かけていつかどこか見知らぬ街角で行方不明になる・・なんてのにも憧れたり(笑)するのですが、行ったら行った先にもちろん人々の生活があって、私もそこにいて、行方不明になどなれないのでした。
 
結局今回は、Strasbourgを軸足に、フランス側ではLorraine地方のNancy、Metz(メッツではなくメスと読みます)、Alsace地方のRiquewihr(リクヴィル)、Colmar、ドイツ側ではFreiburg、Baden-Baden、Karlsruheを訪れました。いつもながらせこせこと歩きまわりましたね・・。
 
アルザスでは美味しいワインをいっぱい味わってきたし、ドイツのBaden-Badenでは温泉に入ってきましたよ。
行く先々でマロニエの花が満開でした。

ストラスブールは現在朝の7時台です

いやー小林万里子さんのライブ凄かったです!
とくに『マルマルモリモリ』(のブラックな替え歌)とか、原発関連の歌が多かったのには意を強くした。
震災から1年間いちばんきつかったのがやっぱりこの原発関連(放射能関連)で、言いたいことはやまほどあるのに、何か書くと福島の人たちを傷つけることになってしまわないかとか、それも考えてみれば(世間とか‘絆’とやらを盾に取る暗い権力の)圧力に負けていたことになっていたのでした。
 
やっぱり強く言い続けないといかんよな。
福島原発周辺は、もう取り返しのつかないほど汚染されてしまってるんだと。
まだ危険は続いてるんだと。(だから帰っちゃいかんのだよ)。
チェルノブイリの影響がヨーロッパ全土に及んだんだから、それよりも酷い事故である福島のがこの狭い日本全土に及ばないわけないでしょ。
事故直後から海外メディアを含めてあちこち情報検索してたけど、日本国内で公式に言われてること、嘘が多過ぎるもんな。

 
・・というわけで、ライブの後はおもいっきり不義理をいたしましてただいまはフランスにおります。
写真は泊まってるホテルの部屋からの眺め。これで朝6:50ぐらい。日はだいぶのぼっております。
手前暗くなってるけどちょうど橋で川が流れてるの。
橋の向こう側は大学です。
(ちなみに『シルビアのいる街で』で主人公がずーっと座ってたカフェのある演劇学校もごく近所。これはまったくの偶然で、着いた直後に散歩してて気づいた。)
教会が半分工事中なのは残念ですが夜も綺麗だよ。
あ、7:00になって、遠くで鐘が鳴りだしたな・・。
(そういえば去年ミラノで泊まったホテルも教会がすぐ近くにあって朝晩鐘が鳴ってました。)
 
20年ぶりのフランス。それにしても当方のコミュニケーション能力がこれほど退化しているとは・・
(フランス語ももちろんだけどそれ以外の部分でも)。
日本にいても、トシとともに現実対応能力が退化しまくってるのを感じる。
これがもうある閾を越えると海外一人旅なんてのもできなくなるんだろな。
あちこちほっつき歩くのはその限界を確かめるためにしてるみたいです。
 
そのぶん世の中便利になってきて、こうやってパソコン持ち歩いても、たいがいのホテルは無料WiFiですいすいつながるし、iPhoneも「海外パケット放題」とかで以前は禁忌だったローミングオンにしておけるし。
ローミングオフにしとくと折角の地図がうまく使えなくて困ったんだよね。上海旅行のあたりでは。)

浪速のジャニスなど

ゴールデンウィークのご予定はお決まりですか?
4月29日の日曜日に、注目ライブがあります。
 ↓
http://bcwildbunch.com/live.html
http://bcwildbunch.com/
 
‘浪速のジャニス’こと小林万里子さんとは、少しだけ個人的なご縁もあったりするのですけど、それはヌキにしても、一度は聴くべき(というか体験すべき)すっごいアーティストです。
この機会にぜひぜひ!
 
それがすんだ翌30日からはひさびさの海外脱出。「シルビアのいる街」へ行ってきます。
国境を越えてドイツ側にも行き、温泉などにも浸かってくるつもり。楽しみです。
 
思えば、昨年2月末にもヘルシンキ〜ミラノ〜ヴェネツィアという旅をしてきたのですが、そのことを書く余裕がありませんでした。
帰ってきて、のんびり大阪アジアン映画祭など見ている最中に、東北の大震災が起こってしまったもので・・。
それから始まって精神的にもいろいろきつかった昨年度。1年たって、ようやく自分のことばが出てきたような気がします。(またそれらのことはあらためて)

4月12日事件直後に祇園にいた話

近代美術館で村山知義
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2012/390.html
を見て出てきたのがおそらく13:20頃だったと思う。(もう既に事故は発生していたことになる。)
 
疎水端の桜並木の美しさを堪能してからいつものように白川沿いを歩いて南へ下る。
華頂短大の入り口付近で先を行く男性が「祇園で大きな事故があった」と言ってる声が耳に入り、そういえば救急車の音がひっきりなしに祇園方向へ向かっているのが聞こえる。
気にせず白川沿いの美しい花々の光景を楽しみつつ祇園のほうへ。
そこも観光客がいっぱい。一眼レフを構えて花々や流れる水の光景を撮っている若い外国人男性の邪魔をしないようよけてあげながら、すれちがいざま笑顔で無言の会話「すばらしいね」。
 
花見小路を下り四条通へ出ると一転騒然。
救急車が西へ向かうのが見え、四条通の南北の歩道に人だかりがあってなにごとかをじっと見守っている。警察官?も多く出ている。
いったい何があったんだろうと気になりながらも二つ目の目的地へ向け四条通を東へ折れ何必館へ。ここでマルク・リブーの写真展を鑑賞。
http://www.kahitsukan.or.jp/frame.html
↑これなかなかよかったです。おすすめ。
 
受付のおねえさんに「何があったんですか?」と声をかける。おねえさんも「私もわからないんです。ここを離れられなくて・・」との返事。
ここはペンシルビルの1階から5階へ順々に上がっていきながら展を鑑賞する。
その最上階に立つと、何機ものヘリコプターが上空を旋回する音が上から威圧するようにひっきりなしに続く。
真ん中のちいさな中庭から楓の木を透かして青空が見えるのだが、その切り取られた青空をヘリが横切っていくのが見える。
しばらく見てるとバサバサっと大きな羽音がして烏が建物の天辺にとまるのが見えた。
 
何必館を出て、四条京阪方向へ歩くも、花見小路の角に交通規制が敷かれていて西方向へは歩けないといわれる。
いずれにしても四条の駅からは乗れまい。京阪三条まで歩こうと決め、そこから小道を通って北へ。
途中ふたたび白川にぶつかる。そこにむらがっている観光客ら(外国人らしき一行もいっぱい)は絵になる桜の風景に夢中で、写真を撮ったり撮られたり、事故に全く関心ないようす。若いカップルで女性が「ケータイ検索すればわかるかな?」みたいなことを言っているのは耳に入った。
 
そこから縄手通に出てちょっと上がったところでシルバーのワゴン車が電柱にぶつかっているのが見え、そのまわりをロープでかこってある。
私はその時点では四条通でなにか大きな車の衝突でもあったのかな?ぐらいに想像していたので、この事故は同時におきた別の事故なんだろうと思って、まさかその車が当の事故車両だとは思いもしなかった。
あとで思い出すと、ロープのそばに野次馬がたかってたし、女性二人の声で「あれが?」「あれよ」みたいなことを囁いてたし、その車をケータイ写真で撮っていく人が何人かいたのだ。
 
で、その車を横目で見ながら縄手通を北上。すぐそばのセブンイレブンでお金をちょっとおろす。
路上、近所のおばさんたちが輪になってしゃべっている。
道路脇でNHKのクルーが打ち合わせしている。
空にはまだヘリコプターが数機みえるがもう帰途についているようす。
 
そこで14:30頃。ちょっと予定まで時間があるので遅い昼ご飯を近くのお蕎麦屋でとることにする。
ちいさなお店が団体客で満杯になってて、お店のおばちゃんは応対に必死。どうやら事故のことはな〜んにも知らないようす。
私の向かいの席に座った男性の一人客がどこやらへ携帯電話をかけた。「え?そう」「それはひどいな・・」などと喋っている。
私もそこで初めてiPhoneを操作して事故の速報を知った次第。その時点では12人に突っ込み4人が心肺停止とのことだった。縄手通?え?ここやん。じゃさっきの車がその?!
 
団体客が引き上げてしばらくして、近所の人らしいおばちゃんが何か食材を持って入って来、「近くで事故があった」と言っている。
「いやーそう?」「どこで?」などと店のおばちゃん。「そこや、そこやで。セブンイレブンのとこ」。つまりこの近所の人も、車が最終的にぶつかったところしか把握していない様子なのだ。
 
三条から京阪特急に乗り、四条駅から乗りこんできた女性二人組がもっと生々しい話をしているのを耳にする。中年女性二人で、一人は達者な日本語にかすかな外国語なまりがまじる東南アジア系らしきひと。私のすぐ前の4人掛けの向かい合わせの席に座り、先に座っていた(おそらく初対面の)老夫婦を相手にしゃべっていた。
 
彼女らの話を総合すれば・・南座の前で待ち合わせて八坂神社・円山公園方面へ行って花見をする予定だった。先にお昼ご飯を食べようということになり、お昼を食べて外に出てくるとえらいことになっていた。事故の瞬間は目にしていないが、道路に人が倒れているのを見たという。「かわいそうに若い男性だった」。
彼女らは「殺人」と決めつけていて「秋葉原」という言葉もまじっていたと思う。なりゆきをずっと見ていたのか、もう花見をする気分ではなくなり、そのまま四条京阪駅から帰ることにしたという。大阪の人だとか。
 
老夫婦のほうは事故のことを全く知らなかったという。平安神宮で桜を見てきた。祇園のほうへも行こうかと思ったが疲れたから帰ることにした。「行かなくてよかったねぇ」と奥さん。
 
京阪の車窓から木津川と桂川がぶつかるあたりみごとな桜並木が見えるのを、老夫婦が中年女性二人組に教え、女性たち「せめてこれぐらいでも見て帰らな」などと四人さざめきながら見ている。
 
あとから事故の詳細を知ると、被害を受けた方々、近所で働いていた人もあり、近郊の大阪からの観光客もあり、遠く関東からの観光客もあり、けが人のなかには外国からの観光客もあり、まるでこの花見の季節、平日昼間にあのあたりを歩いている人たちのサンプル集団をとったみたいだ。
あれだけどどっと人が集まるなかでの十数人だから、本当に気の毒だったとしかいいようがないのだけど・・
 
何必館から京阪四条の駅まで歩いて帰るつもりだったので、何もなければ私も問題の交差点を渡っていた。事故車両が通り抜けるのが1時間半ほど遅れてたら、私も巻き込まれる可能性はあったのだ。
(とはいえ怖いということは全くない。最近見た『ルートアイリッシュ』にWRONG PLACE WRONG TIMEという言葉が出てきたけど、ほんとに場所がちょっとちがい時間がちょっとずれるだけでまーったく何も知らず花の京都をフツーに観光して帰った人がいっぱいいるんだろうということがなんだか不思議に感じる。)
 
ぶつかった車はいかにも‘軽’らしく車体がぺしゃっとひしゃげていた。
あんな軽そうな車が、そんなに多くの人を殺す凶器になりうるとは・・。