ヤーらしい言い方

それにしても…と昨日の記事を自分で書きながら自分で可笑しかったのが「“性的不品行”ってなんやねん(笑)!」。結婚制度の外で恋愛したり性交渉したりすることか(きらいなことばだけどいわゆる不倫ね。“不倫”ってのは倫にはずれたことの意だからもっと意味範囲が広いと思うのだが…)、性交渉の頻度が平均より多いことか(して平均とはどれくらい(笑)?)、経験人数が多いことなのか(これまた平均はどれくらい(笑)?)、性交渉に金銭取引が絡むことなのか(売るのでも買うのでも)、同性愛とかSMとかなのか?(一夫一婦・異性愛・皆婚で子どもをつくるためのmissionary position以外はすべて“変態”なのか(笑)?)、年齢がごくごく若いうちに経験しちゃうことなのか、あるいは老年にいたるまで童貞(ちなみに女性についても“童貞”といいます)を守り通すことなのか・・・なんてことをつらつら考えるに「なんでもあり」の今の世の中“性的不品行”とあげつらうほどの不品行なんてそうそうないんじゃないの?なんて思っちゃう。むしろそのことばじたいがヤーらしかったりして…。
それでもあかんやろ〜と思うのは、暴行(レイプ)であれセクハラであれSMの強制であれつきまとい(ストーキング)であれ幼児性愛であれ結婚詐欺のたぐいであれ、相手の意向を無視して強制する関係、相手を傷つけたり損害を蒙らせたりするたぐいかな…と思うのだが、だとすれば、不倫とか援交とかは誰かを傷つけるものであれば×誰も傷つけなければ○なのかとか、いや、だいたいがそもそも性的交渉じたい、なんらかのかたちで人間を侵襲するもの(肉体的にも心理的にも)ではないのか…とか。(“セックスレス”もそのことが“ない”というかたちでひとを侵襲するかもしれないし)。
けっきょくいちばんヤーらしいのは、そもそも性的関係が「デキる」ということなのか。だいぶ前に知人(女性。で、あんまり親しくない知人程度のひと)としゃべってて、そのひとはわたしの知らない彼女のおともだちの身の上話をわたしに語っていたのだが(そんなもんべつに聞きたくもないのだが)(かなり年取ってからようやく見つけた相手は子持ちでしかも要介護の老親つきで法律婚もしないままにその老親の世話をさせられている…という話なので「あんたも気ぃつけや〜」ってことだったのかもしれないのだが)、それまでなんでもなかった男女のあいだにそういう関係ができることを、「肉体関係(“お肉の関係”とか言ってた作家もいたようだが…)ができて…」とか「男女の関係になって…」とか、いずれにしてもなにかいやらしい言い方ばっかりで、いっそ単に「デキる」がいちばんええんじゃないのとか思ったりするのだが、そのひとはその意をこめつつごくごく婉曲に「親しくなって…」という言い方をなさったのだが、その「親しくなって」という言い方が、なんだか、とっても、ものすごく、いやらしいというか、猥褻というか、ちょっと背筋がぞっとするよな感じがした覚えがあります。