行ってみるもんです。

大阪シネマフェスティバルというあーんまりぱっとしない(失礼!)イベントなんですが、目玉作品の『花つみ日記』(1939年東宝)<監督>石田民三<出演>高峰秀子 清水美佐子 葦原邦子 伊達里子 進藤英太郎 …だけでも行っておこうと。行ってみて大正解!
もちろん吉屋信子原作、石田民三演出の正統派少年少女映画で描き出す少女の友情物語、当時15歳の高峰秀子とそのともだちの転校生役の清水美佐子のかわいらしさ(首筋の清楚な美しさとか頬とかのど、あごの線、たいらな胸と低めの背と、やさしいからだつき、夢見るような瞳、おっとりと儚げな顔つき、何よりも言葉づかい−大阪ことばも東京ことばも−…と昔の少女らしさが満開!)もさることながら、昔の(戦前の)大阪の街がきちんとフィルムに残されていて、しかもトークの時間に司会者とゲスト(川本三郎氏)の呼びかけに応じて、客席から出る出る・・・舞台となった女学校は大阪女学院の前身の「ウヰルミナ」であること、しかもそれを教えてくれたおばあさん二人は、実際にその女学校の生徒でロケ撮影の現場も見たという! 高峰秀子置屋の娘で女学校を途中退学して舞妓としてデビューするのだが、その実家のロケは宗右衛門町のお茶屋として超有名だった富田屋さんで、まだ空襲で焼ける以前の建物や街並みなどがしっかり映っていること、芸者たちの芸の練習風景もおそらく本物であろうこと。あと、ここはカトリックの玉造教会、ここは生国魂神社、これは信貴山ロープウェイ、大阪城の見えるこの橋は銀橋、道頓堀の戎橋(このあたりはわたしでもわかる)などなど、ロケ地が観客席の次々の指摘からすべて明らかに・・・大阪の地のじいちゃん(粋な和服姿のひとや帽子かぶった映画通っぽいひとや)ばあちゃん(洋服を上品に着こなした白髪の)らの思い出話も加わって、すごく楽しいトークショーでした。
…と、これは映画日記ネタでしたな。ほったらかしのあっちもそろそろなんとかせねば…。