品下る

(またなんだか人生の生き方、世の渡り方みたいな話になってしまいますが…)
わたしの苦手なタイプは、なんらかの功利的な目的をもって行動するひと、あるいは人を操作的に扱うひと、かもしれない…。なんせわたし自身は自分の思ったまま、感情のまま(あるいはなんらかの正義感にかられて)、無手勝流に動くため、そういうタイプには手もなく捻られてしまう。手玉に取られてしまう。向こうのほうが何手も先を読んでいて必ず自分が勝つように(利害の対立した相手を罠に陥れるように)言動を組み立てていくんだもの、そりゃ敵わないわよね。(人生、目的を達すること、勝つことが全てなのかどうかはともかくとして…真剣にそう思うなら、それこそ目標をしっかり定めてそれに向かってやるべきことをやる合理的な生き方をすればいいことなのだけど…)。
これまで、仕事を奪われたとか、名誉を奪われたとか、友人を奪われたとか(幸い“恋人を奪われた”ケースは無いな。いやそも所有してないものを奪われるわけがないのか〜(自爆))、感情的に嫌な目に遭ったとか、いろいろ被害を受けたけど、特に始末に終えないのが“権力”志向の人たち。政治的、戦略的に動くひと(それは、目的がお金であれ地位であれあるいは恋愛とか人間関係とか感情的なことでさえも…)。そういう駆け引きに長けた“オトナ”の世界のひとびとにとっては、わたしなんてまるで子どもに見えるんでしょうね(笑)。それこそ「赤子の手をひねる」ようなもんだと思う。(こんなことを書いてることじたい、わたし自身も権力が欲しくてたまらない証拠なのかもしれないけど…)。
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それにしても権力とは恐ろしいもので、いろんなものがついてまわってくる。何の利得も欲得もからまない清廉潔白な権力なんてありえないだろうと思う。
お隣の国で歴代の大統領(とその一族)が次々と手が後ろにまわるのを見て殺伐とした気分にかられたものでしたが…。
堤義明氏の立件は、ひさびさこの国でそうした殺伐気分を味わうできごとでした。(本当はもっとあるんだと思う。ダイエーの中内某氏とか政治界でも岸某氏をはじめとする権力者たちとか、誰が守護してんだか知らないが守護天使がいなくなれば、叩けば埃の出る人ばっかりなんでしょうね)。
殺伐・・・というのは、権力者ご本人(あるいはその一族)が、こんなに悪いことしてた…というのが次々と明るみに出てくるせいでももちろんあるのだが、直接的に関係なくても、これまで何かと彼を持ち上げてきたマスコミとか周りのひとたちが掌を返したように、かさにかかってかの人の悪事、醜聞を暴き立てること。
べつにご本人をかばい立てする気は毛頭ないのだが、このときとばっかりに失墜したかつての権力者につばを引っかけるような真似をするひとびとのほうが、数段品下ってるような感じがしてしまう。
人間、やっぱり品性のないひとがいちばん醜いと思いますぜ。