うらぶれた店

出先でぽかっと時間があいたとき、ちょっとひとりでお茶とかランチとか軽食をしたいとき、ちょっとビールなど飲みたいとき…ひとりだと、お店の選択に困る…。
安くておいしそうなお店がたくさんあっても(ふところに余裕のあるときならお高くても感じが良くておいしそうなお店を選べるけど)“ひとりじゃ入りにくそう”とおもったらどうしても敬遠してしまう。ひとりだと(それもわたしのようなだっさいかっこしたオバサン客だと)、邪慳にされるんじゃないだろか?お邪魔なんじゃないだろか?とか思ってしまうわけ(ホトンド被害妄想にはちがいないんだけど)。
けっきょく(見知らぬ街に行ってさえ)ミスドとかスタバとかになってしまいがちなのだが、それも味気ない。
昨日、さんざん迷った末に立ち寄ったのが、昔っからその場所にあったことは知っているだっさい喫茶店がちょっと今風のカフェに衣替えしたお店。で、入ってみて初めて気づいたのだが、そこだけが街中のおしゃれな店々のあいだにあって、タイムスリップしたかの如く昭和の古くさ〜い雰囲気が保存されているのだ(笑)。
カウンターとか正面のメニュー表示とか、いまふうカフェっぽく衣替えされてはいるのだが、「○○ラテ」とかあとから追加したメニューは張り紙表示されてたり、給水器はなんだか年代ものだったり…。
何よりも人間たちが!(笑) カウンターの中には、なんかもう、昔っからこの地に住んでるっぽいまるっこい感じの初老のおっちゃん。ホットドッグっぽいメニューを頼むと、紙ナプキンをくれるのではなくウェットティッシュの引き出し口を(“引き出してください”とばかりに)こっちに向けて1枚くれる。奥で水仕事してるらしい女性は、一見きびきび働いててそれなりに若い女性っぽく見えたが、後におっちゃんとチェンジしてカウンターに出てくるところを見たら、やっぱりこの店が昔ながらの喫茶店やってたときからおはこびさん(ウェイトレスとかではなく(笑))やってたんやないかと思われるような、ちょっと険のある顔つきしたおばちゃん。
そしてそして、そんな店に吹きだまってくる客たちも(ま、もちろんわたしもふくめてなんですが)、時代に取り残されたかのようなうらぶれた感じのひとびと…。仕事中らしいサラリーマンぽいおっちゃんも、失業中か定年後か暇そうなおっちゃんも、じいさんばあさんで立ち寄ってるカップルも、そして(信じられないことに)それなりに若い男の子、若い女の子、若いカップルでさえも、みーんなどこか貧しげで、くたびれた雰囲気で、あぁこういうひとたちもいまの街中にいたんだ〜って(笑)、なんだかホッとする。
東京でも感じることなのだが、大阪でも、昔っからこの地に住んでる地の人って、あんまりおしゃれじゃないことが多い、ということもよく感じる(一概には言えないけどね)。