クリーム・クレーム・クレーム

甘いもん話の続き。辛党のみなさまにはご容赦を…(笑)
あんこ嫌いのわたしが好きだったのは、脂っぽいもの。和菓子はダメで洋菓子にひたすらあこがれてました。
小さい頃、家族して買い物に出かけた梅田の阪急百貨店で、まず2階にあった「風車」という喫茶・レストランに寄って、ホットケーキ、プリンを頼むのが楽しみだった。心斎橋まで出ると不二家に連れてってもらって、そこではチョコレートパフェがお気に入りだったか(ショートニングをクリームにしたよな味のないクリームがどっちゃり絞り出してあるたぐいね)。
ええとこのお家じゃないので、カスタードプリンのつくりかたを知らず、即席プリンミックス(冷やして固めるたぐいの)をどうやってつくってもあのレストランで食べるプリンと同じ味にならないのが不思議でたまらなかった。(後に中学に入って調理実習でやって初めて知った)。(うちでは茶碗蒸しとか卵豆腐のたぐいもつくったことなかったな)。
洋菓子のケーキも、近所の和菓子屋さんとかパン屋さんとかが置いてるような、バタークリームともいえない脂っぽいだけのバタークリームでそれなりのかたちつけただけのしかなかったけど、今でも尼崎に工場のある某E…という洋菓子屋さん(いまは系列でもっと高級な洋菓子ブランドやってますが…)が、チェーン店で生クリームどっちゃり絞り出したショートケーキ類を売り出したときには、わたしも狂喜したけど母も狂喜して(笑)、毎日のように買ってきた。家族してよく食べたなぁ…「これがホンモノのケーキだ!」とか思ってたもん。
生クリームも(昔はびん入りで売ってたけど)もとのかたちを知らず、それを泡立てたらああいうクリームになることも知らなかった(実際にやったのはこれも中学に入ってからの調理実習だったと思う)。ので、それまで食べてた味ないクリームより格段においしく(ホンモノらしく)感じた。その某E…のショートケーキの生クリームがやたら白くて実はホンモノの生クリームではないらしいと知ったのはずいぶんあとになってから…(今も結構売れ筋であるらしい“植物性”生クリームのたぐいか?わたしはいくら健康に良いからといってこういう欺瞞は許せないので(笑)、植物性マーガリンも植物性生クリームも大っ嫌いなのだけど…)。生クリームを泡立てたクレーム・シャンティじたい、洋菓子の世界のなかでは素材としてごくごく限られた範囲に使うものだと知ったのもあとになってから。(だいたい日本のケーキ屋さんには必ずある苺のショートケーキみたいなのもフランスとかにはないらしいし…)。
今はほんとに本格的な美味しいケーキ屋さんがいっぱいありますもんね。昔々の脂っぽいだけのバタークリーム(あるいはショートニングクリーム)と比べてたせいか生クリームはむしろあっさりしてると思ってたけど、それも、あとあといろんな洋菓子を知るようになってから(あるいはフランス人がクレーム・シャンティは「脂っぽい」と言ってるのを聞いてから?)、見解が変わりました。
 *
ところでしょーもない疑問なんですが…このごろ日本語でもやたら耳にするけど(そんなふうに呼ばんでも…とうんざりしますが)「パティシエ」「ショコラティエ」「グラシエ」(あと「キュイジニエ」とかも)って、職掌としてはっきり区別されてるものなんでしょうか?…昔のフランスではショコラティエの職人の組合かなんかがあって、ショコラティエはパティシエを兼任できなかったとか…?