映画いろいろ

フランス映画祭も何本か見ようと思ってんですが、その前に書いとかないと!と思いつつ書いてなかったのが香港映画の『SPL狼よ静かに死ね』(しかしこのSPLていったい何よ?ジョニー・トゥーの『PTU』を意識したのかなんなのか?漢字で『殺破狼』と書くほうがずっとかっこいいと思うのだが…で、これを発音するとどう聞いても「サッポロ」に聞こえるのがなんともはや…なんだけど、それもまたいいのですが)。ほんまかどうか知らんがタイ映画の『マッハ』のすさまじいアクション見て(ほんまにすごかったもんなぁ…)甄子丹(ドニー・イェン)と洪金寶(サモ・ハン・キンポー)が本家本元・香港映画が負けてられるか!と企画したという噂もむべなるかなで、ドニーとサモハンのアクションが凄い凄い! サモハンてあんた歳いくつ?「世界で一番身の軽いデブ」の称号をほしいままにしてた『燃えよデブゴン』シリーズがいつだったか?…こないだ書いた『Mr. BOO』のマイケル・ホイなんかはもうすっかり作る側にまわってるけど、サモハンは作り手としてもばりばり活躍しながらなお役者としてこんだけ動けるんだもんなぁ…。もちろんドニーのアクションも素晴らしく(時代劇以外のドニーてひさしぶり!)、もひとりクールな殺し屋演じた呉京ウー・ジン)との対決シーンはいちばん迫力あったかな。
で、『マッハ』には到底真似のできない香港ノワール独特の暗さというか匂いというか、ねっとりと不吉に静まり返る青い空気というか(この手の香港映画はいっつも天六のきちゃない映画館で見ている…その匂いとかがたがた通ってく電車の音とかもそういうくらーい映画の空気に同期するのだが)、これまた素晴らしくてこちらのほうは任達華(サイモン・ヤム)が癖ある俳優演じる部下を何人か従えて登場すると、もうどうしたって復讐や殺し合いがエスカレートしていくしかないもんね(それにしてもいつも思うのだけど香港映画に出てくる警察のこの腐敗ぶり・不正ぶり。警察がなんも文句言わんとよう協力するなぁ…と思う)。
あと、ヴィム・ヴェンダースサム・シェパードが組んで今度はサム本人が主演した『アメリカ、家族の風景』Don't Come Knocking とか。これも音楽T-Bone Burnettだったのね。
金髪の若い女性が振り返るところで、あ、ナターシャ・キンスキーと思いかけたらサラ・ポーリーでした。それくらい『パリ、テキサス』にそっくりなんだけど、それ以上にいろんなアメリカ映画の記憶、アメリカ的なるもののイマージュと記号がこれでもか!って感じで出てくる。こりゃオマージュというよりほとんどパスティーシュかい?
アメリカ映画はハリウッドには既になく、ドイツ人とかデンマーク人とかアイルランド人とかがつくってる…のだが、それもひねりにひねって。
あ、そうか。いつの時代になっても変わらぬニューヨーク映画といえばウディ・アレンもいたな。『僕のニューヨークライフ』Anything Else。黄色っぽいルックスもいつもいっしょ。タイトルになってるタクシー運転手のセリフなんだけど、字幕では「人生なんてそんなものさ」だっけか?「それが人生」をフランス語でC'est la vie とか言っちゃうとあきらめ気分が支配しちゃうんだけど、こちらはもっとなんつーか関西弁ぽく「そんなもんちゃん?」みたいな感じかな?