ヒマなり…

 お盆でヒマだしタダ券もあったので『ザ・シューター/極大射程』Shooter (2007) Director:Antoine Fuqua 見てきました。
 なんかタイトル見たとき(「極大射程」てなんやねん?)、香港映画かしらん?と思ったんだけど、見た感想も「これ香港映画ちゃん?」(笑)。主演のマーク・ウォルバーグMark Wahlbergくん、『インファナルアフェア(無間道)』のハリウッドリメイク版(そういう認識(^^))に出てから、キャラクターが香港映画化してんじゃないかしらと思ったり…。
 もっとも『ディパーテッド』のマークくんの役回りって、オリジナルにはない役だったけど…(あえていえば黄秋生(アンソニー・ウォン)の役が分裂してハリウッドの気に入るラストをもたらした?…あとで考えてみれば黎明(レオン・ライ)もちょっと入ってたかな?とも思ったが…)。キャラクターとしてはマット・デイモンくんなんかとかぶってるんだけど、普通の顔のなかに(「真っ当であること」をつきつめた末に)燃える狂気みたいのは独特の味がありますね。
 あ、いや、褒めてるんです。『ザ・シューター/極大射程』なかなかかっこよかったすよ。
 
 今朝の朝日新聞沢木耕太郎が『天然コケッコー』(わたしはまだ未見)について書いている。以前見かけたときは『ボルベール』(ペドロ・アルモドバル)評を書いてたのだけど、不定期連載といったところか。それにしても、いずれも、「ズレとるなぁ…」と苦笑してしまった。
 沢木耕太郎じたいは嫌いではないのだけど、『一瞬の夏』の昔からある強力なこのひとの(この世代の?)「物語」を映画見にもあてはめてしまうせいか、監督の意図を勝手に憶測し、映画の製作過程をこれまた勝手に想像し、物語化し、ありもしない映画の主題(この映画がいちばん訴求したいこと!)に導いて結論化してしまっている。
 べつにとくに山下敦弘でもペドロ・アルモドバルでもある必要はないのだが、いまどきの映画をちょっとでも見つけている観客らにとっては、「アホなこと思いつくもんやなぁ〜」「勘違いも甚だしい」とツッコミどころ満載。
 この程度の見方が、一般には「わかりやすい」「共感できる」ということなのか? それともここが朝日新聞だからか?
  
 大学入試の現代文教える高校生にはハッキリそう言うし、中学生でも難関高校めざしてるぐらいの頭の子ならもうピンと来るのだけど、「こういう読解はね〜、もうひと昔前のやりかたとして今では誰もやらないのよ。あんたたちが大学に入ったら真っ先に捨てなければいけないたぐいの考え方(の枠組み)。だけど、いまだに大学入試だけにはしつこくしつこくしつこく出てくるからね〜(ひと昔前の古い頭の教員連の復讐だろうか?)。まー我慢してやってちょうだい」という。そんなセンス(^^;。
 小学生に教えていてさえ空しくなる。君たちが大学受験年齢に達する頃にはさすがに、こういうのって捨てられてしまっているだろうか?(そうなっていてほしいと思うけど、反面、じゃあ今教えていることはなんなんだろ?と思ったり…。)
 まず古い思考様式を身につけないと新しいのもモノにならないか?そんなこともないと思うのだが…、古めかしいタイプの考え方をみごとに自家薬籠中のものにして国語読解満点を取る優等生と、まるでできないんだけどときどきハッとするようなすごい(今の時代にふさわしい)ひらめきを見せる子と、どっちが生き残るんだろうかと思ったり…。
 
 あらま、また脱線してしまった。
 そういえばその『ボルベール』のこと書いてなかったなぁ…。映画あんまり見てないとおぼしき知人らにも、大絶賛して「ぜひ見て!」と言ってまわってるので、そのときに自分の言ってること振り返ってみると、沢木のセンスとあんまり変わりないかもしれんと思ったり…(^^;。(映画の褒め方も相手によって変える。訴求点が異なるのはあたりまえだけど)。
 それと意外なつながりがあって軽くおどろいた『街のあかり』のことも…。
 あと、シネフィルイマジカで見た『CLEAN』はぜひ書いておかねばならぬし。チャンネルNECOで見た馮徳倫(スティーブン・フォン)くんが監督業になってから(いつから?)の作品のことも書かねばと思いつつ…。