ドキュメンタリー映画2題

午前中は雷が鳴ってたけど昼からはまた暑くなりそうですね…。
一昨夜はせっかくの皆既月食が雲に隠れて見えず、昨夜も雲が多かったけど十六夜月がきれいに見えてました。
気狂い的な暑さの8月だったけど、もうそろそろ暑さとともに終わりかな。
  
昨日は七藝に
TOKKO―特攻―』Wings of Defeat 監督・プロデューサー:リサ・モリモト
ヒロシマナガサキ』WHITE LIGHT/BLACK RAIN:The Destruction of Hiroshima and Nagasaki 監督:スティーヴン・オカザキ
の2本を見て来ました。期せずして、日系アメリカ人の監督による先の大戦関連のドキュメンタリー2本です。
TOKKO―特攻―』が行列の出る騒ぎだと聞いていたので見に行くのをかなり遅らせたつもりだったけど、平日の昨日もやっぱりけっこうな人でした。
いったい何がそんなに人気?と思ったけど、納得できたのは、二人ともアメリカ式の面白い(興味深い)ドキュメンタリー映画の作り方をしっかり学んでいるせいか、冗長なところや無駄なところの無い、きっちりした手際の良い作品で、しっかり観客を惹き付ける演出・編集をしているんですよね。特にやっぱり『TOKKO―特攻―』のリサ・モリモト監督が上手かったと思います。
もっともそこが物足りないところでもあって、いかにも優等生の良くできた作品で、マイケル・ムーアやそのへんのエンタテインメント性も備えている。だけど、どこか予定調和的というか、決めた枠組みからはみ出るような過剰な部分、逆にどうしても語り切れない沈黙の部分、監督の手に負えない部分、つまりはそういうところに往々にして出て来る何らかの真実のかけら(あるいは監督の真情)みたいなものに欠けるんです。世代的にも、時代的にも、国籍的にも、言葉的にも、監督が対象との間に取っている距離感が「程良い」。程良過ぎるとも感じました。
それにしても、2つの作品に出て来る証言者たちが、みんな揃いも揃って魅力的に撮られているのには感心しましたね。もちろん証言している内容は深いし、重いし、大変なことなんだけど、それぞれのキャラクターを魅力的に立たせる演出/編集手法は、やっぱりきちんと学習されたものなのかなと。
そのなかでもやっぱり魅力的(かつ現代的)なのは、特攻隊員たちだったのかしらんと。そういう意味でこの人気ぶりも納得できるのかしらんと。
神風特攻隊も、人間魚雷「回天」も、こんなバカなこと人類が再びやるはずがないとか思ってたけど、今やsuicide bomberたちの時代ですもんね…。
  
そういえば『パラダイス・ナウ』という映画についても書きたいと思いつつ書いてませんでした。アメリカ式ドキュメンタリーについては、つい先頃ディスカバリーチャンネルで見た『兵士たちが撮ったイラク戦争』The War Tapes (2006) Director:Deborah Scranton というのにいたく感心したところ。そのあとハリケーンカトリーナのドキュメンタリー番組もやってましたっけ。
…この頃のアメリカ映画見てると、こういうドキュメンタリーが先行してそれが劇映画になるケースがすごく多いので、カトリーナの物語もイラク戦争の物語も、そのうち劇映画になるのかもしれません。