かたい/やわらかい

いやあ!阪神タイガース、今年も優勝おめでとう(^^) ←気が早い
最下位からの急追撃、もうファンにとってはたまらない展開です。
 
で、話ころっとかわって…
昼間は、今月からハイビジョン放送になった日本映画専門チャンネルで、『UDON』を見てました。本広克行監督って、香川県出身なんだだそうですね。
 
それで思い出したのが、今のようなさぬきうどんブーム(もうブームは去ったのかな?)が来るずっとずっと前に、以前住んでたところの近所にあったさぬきうどんのお店。
老夫婦お二人だけでやっていて、お客さんの相手は主におばあちゃんがなさってました。
まったく愛想のない店構えで、店内も簡素このうえない。メニューは、生じょうゆうどんと、肉うどんだけ。あと生卵とかねぎとかをかけて食べるだけだったと思う。
注文を聞いてからうどんを茹ではじめ、小さめのどんぶりに山盛りのようにして出してくれました。
いま思い返してみると、きっと讃岐出身のご夫婦が、故郷のうどん屋そのものをやってたんだと思う。あのスタイルがさぬきうどん本来のスタイルだったのだろう。
ところが悲しいかな、大阪うどんで育ってきたわたしには、「え???」だったのね。
おだしがないのが信じられない!きつねうどんがないのが信じられない!確かにうどんは茹でたてのしこしこつるつるで、小麦粉本来の味がして、すごくおいしいんだけど、それを生醤油だけで食べるかぁ???
(別の安いうどん屋さんは、対照的に「大阪一だしの美味い店」をキャッチフレーズにしてました)。
多分、(讃岐出身者を除く)大部分の大阪人が同じ感想をもったのではないかしらん? そのお店はいつ行っても閑散としていて、客がわたし一人てことも多かった。
そして、知らん間に閉店していました。
 
しかし、あとから思ったこと。
あのお店が、さぬきうどんブームのただ中にいたらどうだったろう?
きっと、生醤油だけの頑固さが話題になり、行列の出る騒ぎになってたかも?
思えば「早過ぎた者」の悲しさだったのかもしれない…あとほんの2年ぐらい頑張ってたらよかったのに…。
 
そういうのってけっこうあるかも。
例えば、いま大阪でも「ハード系のパン」とか大流行りで、本格的なハード系を焼くパン屋さんがずいぶん増えました。
しかし何年か前までは、日本人はふんわり柔らかくて少し甘めのパンが好みだからと、ああいう本格的に固いやつは見向きもされなかったんちゃうんかい?
(忘れもしない(笑)。私が当時大好きだったナッツとフルーツたっぷり入れて固く焼き締めたライ麦パンを、実家におみやげに持っていったとき。「固い!」と不評で、一番下の甥っ子に「持って帰ってもええで」とまで言われたもんね(笑))
 
あと麺関係では、つい最近閉店された近所の某スパゲティ屋さん。
開店当初は「手打ちスパゲティ」のお店として、ご店主が自分でパスタを打ってらしたと思う。
ところが、「スパゲティとはしこしこ硬いもん」という頭のある客にとっては、手打ちパスタはなんだか軟らかく感じて頼んなかったのね。
今でこそ本格的なイタリア料理のお店、パスタのお店いっぱいあって、パスタにもいろんな種類のものがあることがわかり、手打ち独特のおいしさも知られるようになってきたけど…。
結局そのお店も、「手打ち」というコンセプトは早々にあきらめ、普通にイタリア製の乾麺を茹でて出すようになりました。で、頭の古い客にはそのほうが美味しく感じられたの。
あれも「早過ぎた者」だったのかな?